2024年05月24日
生活費のなかでも大きなウエイトを占める家賃。
一人で家計を支えなければならない母子家庭のシングルマザーは、家賃をできるだけ安く抑えて子どもに使うお金を確保しておきたいですよね。
母子家庭への支援には児童扶養手当や医療費助成などがありますが、国や自治体では母子家庭向けの家賃補助や住宅に関する助成も設けています。
条件や金額、助成の内容は自治体によって異なるため、よく確認して活用しましょう!!
母子家庭の収入事情
一口に母子家庭といっても、パートのみで生活しているケースや正社員として安定した収入を得ているケースなどさまざまです。
母子家庭の友達や知り合いがいても、収入事情はなかなか聞きづらいですよね。
厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課の「ひとり親家庭の現状と支援施策について」によると、母子家庭の平均年間就労収入は200万円となっています。
さらに、仕事をしているシングルマザーのうち、正規雇用は44.2%と半数以下です。
一方、父子家庭は68.2%が正規雇用で、平均年間就労収入は398万円となっています。
この結果をみても、母子家庭のほうが経済的に厳しい状況にあると推測でき、公的支援の重要性が伺えます
家賃の目安は「収入の1/3以下」
賃貸住宅の場合、家賃は退去するまで毎月必ず発生する費用で、節約のしようがありません。
一般的に「家賃は収入の1/3以下が目安」といわれていますが、先述のとおり母子家庭の平均年収は200万円で、月収だと160,000円程度です。
月収の1/3だとすると約55,000円ですが、できればこれより安く抑えたいですよね。
地域や物件の条件にもよりますが、なるべく金額を抑えるのであれば、やはり家賃の安い公営住宅が良いのではないでしょうか。
とはいえ、公営住宅はなかなか空かないため入居できなかったり、近くになかったりするケースも。
その場合は使える制度を使い、家計を圧迫しがちな家賃の割合をできるかぎり少なくしましょう。
母子家庭の家賃補助とは
制度の有無や補助内容
住宅に対する補助の有無や内容は自治体によって異なり、名称も「家賃助成制度」や「住宅補助」などさまざまです。
また、家賃の一部を補助する自治体のほとんどが短くて最長1年、長いと最長6年の補助期間を設けていているので確認しておきましょう。
家賃補助の制度は、例えば以下のような内容があります。
- 民間住宅の家賃の一部を補助(上限あり)
- 引っ越し費用、敷金礼金などを補助(上限あり、一度
家賃補助を受けるための主な条件
家賃補助を受けるための条件も確認しておかなければなりません。
先述した神戸市の対象要件を見てみましょう。
- ひとり親世帯であること
- 世帯全員の所得合算額が市営住宅の収入基準(政令月収158,000円以下)を満たすこと
- 住宅要件を満たす民間賃貸住宅に新たに引っ越し、住環境が改善されること
- 公営住宅に落選したこと
- 申請前の住居が公営住宅でないこと
- 生活保護法に規定する住宅扶助および生活困窮者自立支援法の規定による住居確保給付金を受給していないこと
- 世帯全員が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員でないこと
家賃補助を受けるためには、ひとり親であることはもちろん、収入の基準や居住地、公営住宅に落選したことなど複数の要件があります。
- 児童扶養手当を受給している、または所得制限限度額未満
- 6ヵ月以上引き続いて居住している
- 児童と同一世帯で同居している
- 自分名義で賃貸借契約をして家賃を支払っている
- 生活保護を受給していない
- 母子生活支援施設に入所していない
- 当該家賃について公的な補助を受けていない
- 日本国籍または日本の永住資格がある
- 家賃や住民税を滞納していない
このほか、家賃が6万円以下の賃貸に住んでいる、中学生までの子どもがいるなど、自治体によって要件が異なります。
詳しい要件は、必ずお住まいの自治体や転居予定の自治体に確認しましょう。
家賃補助を受けられない可能性があるケース
収入や居住地などの要件は満たしていても、以下の状況にある方は家賃補助が受けられない可能性があります。
- 生活保護を受けている
- 十分な収入や預貯金がある
- (子どもの)祖父母と同居している
- (子どもの)祖父母から十分な援助を受けている
- 公営住宅・母子生活支援施設に入居している
家賃補助の対象外となる条件も自治体によって異なるため、確認が必要です。
母子家庭限定ではない家賃補助制度
母子家庭向けの補助制度ではないものの、子育て世帯向けの家賃補助を設けている自治体もあります。
子育て世帯向けの家賃補助にも、対象要件や補助金額が設定されています。
-
- 中学校卒業前の子と同居している
- 対象地区内に転入して、1年以内の子育て世帯
- 対象地区に転入する前、対象地区外に1年以上居住していた
- 世帯所得の合計が、月額313,000円以下
- 生活保護法の住宅扶助やほかの公的家賃補助を受けていない
家賃補助の制度を探す際は、母子家庭向けに限定せず探してみると家賃補助制度がみつかるかもしれません。
ひとり親家庭住宅支援資金貸付では償還が免除されることも
ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業とは、母子・父子自立支援プログラムの策定を受け、自立に向けて意欲的に取り組んでいる児童扶養手当受給者に対し、原則12か月に限り、入居している住宅の家賃の実費(上限4万円)を貸付する事業です。
この制度では、1年以内に母子・父子自立支援プログラムで定めた目標に合致した就職をし、就労を1年間継続したとき償還が免除されます。
制度の有無や補助内容
住宅に対する補助の有無や内容は自治体によって異なり、名称も「家賃助成制度」や「住宅補助」などさまざまです。
また、家賃の一部を補助する自治体のほとんどが短くて最長1年、長いと最長6年の補助期間を設けていているので確認しておきましょう。
ひとり親家庭住宅支援資金貸付では償還が免除されることも
ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業とは、母子・父子自立支援プログラムの策定を受け、自立に向けて意欲的に取り組んでいる児童扶養手当受給者に対し、原則12か月に限り、入居している住宅の家賃の実費(上限4万円)を貸付する事業です。
この制度では、1年以内に母子・父子自立支援プログラムで定めた目標に合致した就職をし、就労を1年間継続したとき償還が免除されます。
公営住宅への優先入居
公営住宅は住宅に困窮する低所得者などを対象としています。
民間の賃貸住宅よりも家賃が安く、入居を希望する方が少なくありません。
抽選となるケースが多いものの、ひとり親世帯は一般や高齢者とは別の応募枠があり、当選確率が高いなど優遇されるケースも。
一例として宮城県仙台市の市営住宅に入居するには、世帯の所得月額が158,000円以下(ただし裁量世帯は214,000円以下)であることが条件です。
ちなみに、小学校入学前の子どもがいる家庭は「裁量世帯」に該当する世帯です。
仙台市はひとり親世帯に対して抽選に関する優遇措置があります。
まとめ
母子家庭のシングルマザーでなるべく家賃を抑えたい場合、まずは家賃が安い公営住宅に申し込んでみましょう。
自治体によっては抽選時に優遇されることもあり、民間賃貸住宅よりも家賃を安く抑えられる可能性があります。
抽選に落ちてしまった方、近くに公営住宅がない方は、お住まいの自治体に家賃補助の制度がないか調べてみるのがおすすめです。
その他、国の貸付金制度も利用できます。利用できる制度は利用して、少しでも負担を減らしましょう。
カテゴリ:不動産業ブログ