株式会社Y's upの建設業ブログ

工事中の防火対策

工事中の建築物への防火対策について

工事中の建築物における火災を防ぐために

平成30年7月26日に東京都多摩市で発生した新築工事中の建築物の火災では、死者5名、負傷者42名の被害が発生しました。

また、令和4年10月25日には川崎市役所新本庁舎新築工事現場で火災が発生しました(逃げ遅れ、負傷者等なし)。

工事従事者の皆様へ

今後、類似の火災の発生を未然に防ぐために、これから工事を実施する関係者の方は、防火安全対策を徹底していただきますようお願いします。

工事
作業中

防火安全対策

現在、工事中の建築現場等で作業をされている方は、次のとおり防火安全対策を徹底して、日頃から出火防止を心掛けましょう。

  1. たばこ、火気管理等の出火防止対策について再度確認しましょう。特に可燃物の近くで火気を取り扱うことは危険ですので、出火防止対策を徹底しましょう。※
  2. 消火器が適切に配置されていることを確認し、消火訓練等により消火器を用いた初期消火方法を習得しましょう。
  3. 火災時の避難が迅速かつ円滑に行えるように、避難訓練等を実施して、火災を知らせる方法や、避難経路を再確認しましょう。
  4. 火災の際に迅速な119番通報が行えるように、通報訓練等を実施して、通報方法を確認しておきましょう。

※建築工事現場で使用されている断熱材等の可燃物に、作業中の火花が着火する火災が発生しています!

 

新築工事中の建築物にも防火管理が必要です!

防火管理者の選任及び消防計画の作成について

消防法施行令等に基づき、一定規模以上の新築工事では、工事現場の作業管理、工事に関する物品管理等に係る管理権原を有する工事の受注者等の管理権原者が防火管理者を選任し、選任された防火管理者は、消防計画を作成し、管轄する消防署に届け出ることが義務付けられています。

防火管理者を選任しなければならない建築物

外壁及び床又は屋根を有する部分が次の1、2、3に定める規模以上である建築物であって、電気工事等の工事中のもののうち、収容人員が50人以上のもの

※収容人員とは、工事作業員等の従業員の数で、工事期間中で1日の従業員の数が最大となる数

  1. 地階を除く階数が11以上で、かつ、延べ面積が10,000平方メートル以上
  2. 延べ面積が50,000平方メートル以上
  3. 地階の床面積の合計が5,000平方メートル以上

たばこ火災を防ぐために

たばこ火災は、毎年、市内における火災原因の上位です。

休憩中のタバコが原因にならないように心がかけましょう。

たばこを吸う時や捨てる時は十分に注意し、絶対ポイ捨てをしないなど喫煙マナーを守りましょう!

たばこ火災は日頃の心掛けで防ぐことができます!

たばこ火災の現況

火災原因の上位を占めています

たばこ火災は過去10年間、火災原因の3位以上で、火災総件数の約15%を占めている。

たばこ火災は、過去の火災原因の1位~3位と常に上位にあり、火災総件数の約15%を占めています。(平成26年~令和5年の間)

死者の割合が高い

過去10年間の死者数(たばこ火災による死者23人、その他の出火原因による死者69人)

火災による死者のうち、約25%がたばこ火災によって発生しており、死者の割合が火災件数の割合よりも高くなっています。(平成26年~令和5年の間)

たばこから何に燃え移る?

1位:ごみ類
2位:ふとん、座布団、寝具
3位:紙屑、わら屑
(平成26年~令和5年の火災統計から抽出)

たばこ火災の原因

不適当なところに捨てる

  • 消えたことを確認せずに室内のごみ箱に捨てたことにより出火
  • 消えたことを確認せずにビニール袋にほかのゴミと一緒にして、ごみ置場に出してしまったため出火
  • 河川敷や空地などで火のついたたばこを投げ捨てたため、枯葉等に燃え移り出火

火源が落下する

  • くわえたばこで室内を動き回って、火種が布団やカーペットに落下したことに気付かず外出したため、出火
  • 灰皿に置いたたばこが落下したことに気付かず、布団や紙類に着火し出火

たばこによる火災にならないために

専用の灰皿を使用

空き缶や空き瓶など燃えない素材の容器を灰皿代わりに使用する方もいますが、できるだけ専用の灰皿を使用してください。ペットボトルやカップ麺の空き容器は絶対に使用しないでください。

灰皿に水を張り、確実に消火

灰皿には水を張って使用する

灰皿等に押し付けての消火は不十分なことが多く火災の原因となっているため、灰皿に水を張ったり霧吹きや水を掛けることにより、確実に火が消えたこと確認してください。

灰皿に吸い殻をためない

吸殻をためた灰皿からの出火

きちんと消火された吸い殻が着火物(燃え草)となります。また、吸い殻がたまっていることにより、きちんと消火しにくくなるので、面倒でも水につけるなどして消火を確認できた吸い殻は片づけましょう。

寝たばこは絶対にしない!

寝たばこをする高齢者

寝たばこ(布団の上で寝転びながらたばこを吸うこと)をしないようにしましょう。また、喫煙場所を決め、決まった場所(燃えるものが少ない場所)でたばこを吸うようにしましょう。落ちた火種から出火する場合もあります。

屋外での喫煙は喫煙所で、ポイ捨ては厳禁!

道路などで喫煙し、側溝や空き地に吸い殻を捨てないようにしましょう。指定された喫煙場所で喫煙し、吸い殻はきちんと処理をしましょう。車などから投げ捨てるのもよくありません。中央分離帯の枯れ草や道路脇のゴミなどが燃えることもあります。

たばこ火災の特徴

たばこ火災の大きな特徴として、「無炎燃焼」があります。

無炎燃焼とは、言葉どおり炎を伴わずに燃えている状態のことで、長い時間にわたっていぶすように燃え続けますので、燃えていることに気付きにくい傾向があります。また、密閉された空間では、人体に有毒な一酸化炭素を発生させることもあります。

布団の間に挟まったたばこから無炎燃焼により焦げた布団

たばこの火種が綿布団に落下したことにより無炎燃焼が発生すると、徐々に燃え広がって、より燃えやすいものに触れた時に一気に有炎となり、燃え上がることがあります。

布団に挟まったたばこによる無炎燃焼のイラスト

住宅用火災警報器を設置しましょう

たばこ火災は、煙が発生してから発火するまでに時間が掛かるため、早期に発見すれば簡単に消火できます。
少しでも早く火災に気付くため、必ず住宅用火災警報器を設置しましょう!