株式会社Y's upの建設業ブログ

建設業の課題

建設業が今後取り組むべき課題

前述した今後の見通しを踏まえたうえで、建設業が取り組むべき課題について解説します。以下、3つのポイントが挙げられます。

 

①就業者数の減少と少子高齢化

まずは、人手不足を解消しなくてはなりません。

本記事の前半で述べたとおり、建設需要が増加している一方で、建設就業者の高齢化が進み、若手は少ないという現状です。

このまま若手人材を確保できなければ、今後に向けて技術承継ができず、事業の継続が難しくなると懸念されます。

これから建設業に入職する人を確保し、離職することなく長く働いてもらいながら着実にキャリアアップを図れるよう、働く人の処遇を改めて見直す必要があります。

 

②長時間労働

長時間労働の是正も必要です。

建設業の労働時間は、ほかの産業と比べて長い傾向にあります。

国土交通省の資料によると、年間の総実労働時間は全産業と比べて90時間長いことが明らかになっています。約20年前と比較すると、全産業では総労働時間が約90時間減少しているものの、建設業においては約50時間減と、減少幅が少ない点も懸念されます。

今後も長時間労働を改善できなければ、「建設業は業務負荷が高い」といったネガティブなイメージを払拭できず、若者離れがさらに進んでしまう恐れがあります。

 

③インボイス制度の導入による一人親方の負担増

2023年10月から「インボイス制度」が導入され、個人事業主として活動する一人親方の税負担が大きくなってしまう課題も挙げられます。

インボイス制度とは、商品・サービスの売り手(一人親方)が、買い手(取引のある建設関連企業)に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝える制度です。

一人親方は、課税事業者(消費税の納付義務を負う)になるか、免税事業者(消費税の納付義務を負わない)のままでいるか、自身で選択できます。しかし、売り手側が消費税を国へ納付しなければ、その消費税額は取引先へ転嫁されることがあります。

そのため、買い手側の立場を考慮し、「インボイスに対応し、課税事業者になる」という選択をした一人親方も多いかもしれません。

すると、一人親方は消費税を納税する必要があり、これまでと比べて手元に残る金額が減ってしまうのです。

また、買い手側である建設関連企業の立場では、経理処理がこれまでよりも煩雑になります。

取引のある一人親方のインボイス対応状況を正確に把握しておかなくては、自社の経営に少なからず影響を及ぼすことになるでしょう。

 

4.建設業の課題解決に向けた対策


ここからは、建設業の課題解決に向けた対策を具体的に見ていきましょう。

 

①外国人材の活用

人材不足への対策として、外国人材の活用も有効です。

建設業に従事する特定技能外国人は年々増加しています。

特定技能とは、建設業をはじめとする人手不足とされる分野において、就労を可能とする在留資格のことを指します。

特定技能制度には「1号」と「2号」があります。1号の在留期間は通算5年であるのに対し、2号では在留期間の更新に上限がありません。2022年には、建設業において初の2号認定が出ています。

②ICT施工の導入

ICT施工の導入も有効です。ICT施工とは、工事現場で情報通信技術を活用し、作業員の負担を減らして生産性向上を図ることを指します。

ICT施工によって業務効率化が実現すると、人手不足の緩和、長時間労働の是正につながるでしょう。また、ICT建機の導入で稼働時間が減少した場合、その分のCO2排出量も減ると期待されています。

 

③若者と女性の採用

若者と女性の採用・定着に向けて取り組みを強化しましょう。

前述したとおり、建設業で働く若者の割合だけでなく、女性も少ない状況です。今後、新たに採用する人材を定着させるためには、若者や女性が働きやすく、長く働き続けられて、離職率の少ない職場づくりを目指す必要があります。

具体的には次のような、働き方改革関連の施策が推奨されます。

  • 週休2日制の実施
  • 出産・育児休暇取得
  • 教育制度の充実
  • 業務効率化による残業時間の削減

 

④建設キャリアアップシステムの導入

建設キャリアアップシステム(CCUS)を積極的に導入して利用しましょう。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業団体と国交省が官民一体で推進する新たな制度です。技能者の技術・経験を見える化し、業界全体の質の向上が目的です。

たとえば一人親方は、システムへの登録を無料でできて、資格・実績・スキルを可視化できます。保有技能を正当に評価され、より良い仕事の受注につながる可能性が高まります。

 

⑤サプライチェーン全体で建設資材の適切な価格転嫁を実施

建設に必要な主要資材の価格高騰が起こるなか、多くの建設企業は注文者(施主)に対して契約変更協議の申し出を行っているものの、契約変更が行われないケースも見られます。

そこで国土交通省は、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を図るよう、発注者と受注者間で必要な契約変更を実施できる環境を整備しました。

具体的には、以下のような取り組みによって、発注者・受注者としてそれぞれ取るべき行動が明確化されました。

  • 契約締結状況のモニタリング調査を実施
  • 労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の提示

受発注者の両方が、資材コスト・労務費上昇を適切に価格へ転嫁できるよう、互いに交渉や契約のあり方を見直す必要があります。

 

⑥施工管理アプリの活用

業務効率化を進めるために「施工管理アプリ」など、ITツールを積極的に活用しましょう。

施工管理アプリとは、現場関係者が必要な書類、図面、写真、各種資料やデータなどを、アプリ上で一元管理し、パソコンやスマートフォン、タブレットからでも手軽にアクセスできるようにするツールです。

たとえば、資料共有機能を活用して、書類や図面、写真など、外出先からでもアクセスできる状態を整えておくことで、現場と事務所を往復する手間がなくなり、業務効率化が実現するでしょう。

また、チャット機能を搭載した製品もあるので、現場関係者間のコミュニケーション活性化、若手とベテラン間での情報共有促進など、さまざまなメリットを期待できます。

不動産取引の囲い込み制度

2025年1月から不動産取引の囲い込み規制が始まる!そもそも囲い込みとは?規制方法は?を分かりやすく解説

2025年1月から不動産取引の囲い込み規制が始まる!知らないと怖い囲い込みのリスクとは?規制方法は?を分かりやすく解説

(写真/PIXTA)
さくら事務所グループのらくだ不動産が「2025年開始の囲い込み規制で不動産業界は変わるのか」というメディア向けウェビナーを開催した。テーマになっている「囲い込み規制」とは何か?どういった影響が生じるのか?などについて、詳しく説明していこう。

規制される、不動産取引の「囲い込み」とは?

まず、不動産取引で生じる「囲い込み」とはどんなものかを説明しよう。

囲い込みとは、売却の仲介を依頼された物件を故意に他社に紹介しないなどで、自社でその物件を買う人を見つけ、売却も購入も自社でのみ成約させようとすること。

なぜ故意に他社に紹介しないのかというと、売主からも買主からも仲介手数料が入る「両手取引」にしたいから。

不動産会社は売却の仲介を依頼された場合、成約に至れば売主から仲介手数料を受領できる「片手取引」が成立する。

本来は物件が早く成約するように、多くの不動産会社を通じて広く買主を探すべきだが、自社の利益を優先して他社が仲介できないようにするわけだ。

そうなると、売主にとっては成約に時間がかかり、場合によっては値下げをせざるを得ないという大きなデメリットになる可能性がある。

買主にとっても、買おうと思う物件にたどり着けないという大きなデメリットになる可能性がある。

囲い込みは、消費者に不利な状態を作り出すものなのだ。

なお、仲介手数料は、売買であれば片手取引で一般的に「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限となる(例外あり)。

両手取引ならこの2倍を受け取れるので、1物件で2度おいしいことになる。賃貸借の仲介手数料は、貸主から賃料の0.5カ月分+消費税、借主から賃料の0.5カ月分+消費税、あるいはいずれかから1カ月分+消費税が上限となる。

 

「囲い込み」が発生する仲介の仕組みとは?

ではなぜ、囲い込みができるかというと、不動産仲介の複雑な仕組みがある。

メディア向けウェビナーの資料を使って具体的に説明していこう。

らくだ不動産副社長の山本直彌さんによると、囲い込みは不動産取引の流れの中、主に下図の流れの2と3のタイミングで起きるという。

出典:らくだ不動産開催のメディア向けウェビナー資料より

出典:らくだ不動産開催のメディア向けウェビナー資料より

まず、売主側を仲介する不動産会社が集客活動を始めると、他社から「物件の確認」や「資料の請求」がされる。その際に、物件の販売図面を作成しないなどで、他社側の購入希望者に具体的な情報を提供できない状態にする方法がある。

また、他社から「資料の請求」や「内見の依頼」などがあった際に、「自社で商談中のために紹介できない」と虚偽の説明をする方法。

「内見の依頼」に対して、日程の調整をなかなかしない方法もある。

山本さんによると、内見候補日が2カ月先になるといった事例もあったという。

ほかにも、自社のみに仲介を依頼された場合に、情報交換をするための指定流通機構※のデータベース(Real Estate Information Network System=「レインズ」という)にその情報を登録することが義務づけられているにもかかわらず、

登録をしないといった方法もある。
※指定流通機構とは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した組織で、不動産会社間で不動産情報を交換して、円滑に不動産取引を行うことを目的としている。

なお、不動産会社に仲介を依頼する場合は、正式な媒介契約を結ぶ。

1社としか媒介契約を結ばない「専属選任媒介契約」と「専任媒介契約※」、複数社と同時に媒介契約を結ぶ「一般媒介契約」の3種類がある。

1社だけしか媒介契約を結ばない場合は、「レインズ」への登録や依頼者への業務報告などが義務づけられている。
※専任媒介契約の場合は、依頼者自ら取引相手を見つけることが可能

 

「囲い込み」防止の対策としての「ステータス管理」とは?

政府も、不動産取引の囲い込みを防ぐための手を打ってはいる。2016年1月に、不動産会社間で利用する「レインズ」に、「取引状況(ステータス)管理機能」を導入した。

これは、1社だけに仲介を依頼する媒介契約をした売主が、“自分自身の物件の登録状況”を確認できるようにしたもの。

レインズは不動産会社(宅地建物取引業者)ではない者が利用することはできないが、自分の物件に関してレインズにどのように登録されているか、確認用IDを使って閲覧できるようにした。

閲覧画面では、取引状況が「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類のうちいずれになっているかをチェックできる。

売主が紹介停止を依頼していない、購入申し込みがあると不動産会社から伝えられていないといった場合は、他社に物件を紹介できる「公開中」となっているはずだ。

レインズの登録に要するタイムラグを考慮する必要はあるが、

「取引状況(ステータス)管理機能」は、売主自身が囲い込みの可能性に気づくことができる仕組みだ。とはいえ、売主がこうしたことを知らなければ、囲い込みの可能性に気づくことは難しいだろう。

出典:「取引状況管理」機能について(公益財団法人東日本不動産流通機構)より

出典:「取引状況管理」機能について(公益財団法人東日本不動産流通機構)より

 

2025年1月から始まる「囲い込み規制」とは?

では、この囲い込みをどのように規制するのだろう?

「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」などの改正によって、まず、「レインズ」に登録する物件情報について、「取引状況(ステータス)」を最新の状況で登録することを求めている。

次に、レインズに登録したら指定流通機構が発行する「登録証明書※」を売主などの仲介依頼者に渡して、データベースから最新の取引の状況が確認できることを分かりやすく説明することを求めている。
※登録証明書には、確認用のURLやID、パスワードが記載されている。

特に、1社にのみ仲介を依頼する媒介契約を結んだ場合で、「取引状況(ステータス)」が事実と異なるときには、宅地建物取引業法の指示処分の対象となるので、違反すると一定の処分が科されることになる。

 

「囲い込み規制」の効果はどの程度あるか?

では、こうした方法で、囲い込みの規制に効果はあるのだろうか?冒頭のメディア向けウェビナーで、囲い込み規制の実効性についてどういったコメントがされていたか、紹介しよう。

らくだ不動産の山本さんは、罰則規定ができたことで一定の効果はあると思うが、現場での囲い込みがさらに巧妙になるのではないか、と懸念するコメントをしていた。

また、現場の若い社員は、先輩や上司に言われた通りしているだけで、自分が囲い込みをしていると認識していない場合も多いという。

囲い込みに関するリテラシーを高めていく第一歩にはなると思うが、不動産会社を教育するという根底から取り組まないと囲い込みを是正することは難しいかもしれないといった指摘もしていた。

また、さくら事務所会長の長嶋修さんは、アメリカでは囲い込みについて業界全体で監視する体制ができており、

違反が度重なるとMLS=Multiple Listing Service(アメリカ版のレインズ)が使えず、結果として仕事ができないなど厳しい処分がなされることを例に挙げ、いま程度の罰則では実効性が薄いのではないかとコメントしていた。

たしかに、今回の規制だけでは抜け道もあるので、囲い込みができなくなるわけではないだろう。

しかし、政府が不動産取引の囲い込み防止に対して、強い姿勢で取り組むことを明らかにしたことの意味は大きいと思う。

また、自身が売主や貸主になる場合は、できるだけ早く高く成約するように、不動産会社がどういった活動をしているか、状況の報告を求めたりレインズで確認したりしてほしい。

もしかしたら、消費者の意識が変わることのほうが、囲い込みを抑制する効果が高いかもしれない。

 

SUUMOジャーナルから引用

冬の電気代

【冬の電気代】

一戸建ての光熱費・電気代が冬に高くなってしまう理由と節約方法を解説!

 

冬に高くなる家の電気代。光熱費のピークは2月になるとも言われています。

冬の光熱費が高くなる原因と、冬の光熱費を節約するための方法について、家づくりの視点から解説します。

これから家を建てる方にも、すでに一戸建てに住んでいて冬の光熱費に悩んでいるという方にも参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

冬の光熱費が高くなる原因

冬の電気代が高くなる一番の原因は、やはり暖房です。

エアコンを使い続けることによる電気代に加えて、石油ファンヒーターなどを使うと灯油代もかかります。他にもホットカーペット・電気毛布・こたつなどを使うことによっても電気代がかかります。

また冬の寒い時期には、お湯を沸かす際にもより多くの電気・ガスが必要になるということもあります。

床暖房はエアコンと比較すると電気代が高くなる傾向にあるので、光熱費を節約したい場合は注意が必要です。

 

冬の光熱費を節約するために

家づくりの視点から、冬の光熱費・電気代を節約するための方法を紹介します。

 

高気密・高断熱の家を建てる

高気密・高断熱の家にすることで冬の光熱費・電気代を抑えることができます。

高性能な家であれば、6畳用エアコン1台で家全体の暖房を賄うことができ、電気代や灯油代の節約になります。

エアコン選びについては、容量計算をしている住宅会社であればエアコンを畳数で選ばず必要な容量で判断して購入することができるので、無駄な電気代を抑えることができます。

 

すでに高気密・高断熱でない家に住んでいる場合は、エアコンの反対側に扇風機・サーキュレーター・空気清浄機などを置いて室内に気流をつくることでエアコンの効率が上がるため、電気代を節約することができます。

また雨戸やシャッターが付いている家の場合、夜中に雨戸・シャッターを締めておくことで室内の熱が外に出ていきづらくなるため、暖房代の節約になります。

 

高気密高断熱の家とはどんな住宅?メリット・デメリットと、後悔しないための対策を解説します!
高気密高断熱住宅とは、壁や窓、床、天井などの断熱性能を高め、外気の侵入を防ぐ気密性を向上させた住宅です。これにより、室内の温度を効率的に保ち、エネルギー消費を抑えた高性能かつ環境にやさしい住まいとなっています。

 

オール電化にする

オール電化にすることでも、冬の光熱費を抑えることができます。

一般的には電気代のほうがガス代よりも安いため、オール電化にすることで全体の光熱費を節約することができます。

また夜中の電気代は昼間よりも安くなるため、洗濯機や食洗機は夜22時以降に回すことで電気代の節約になります。

 

調湿する内装材を使う

直接の光熱費とは別になりますが、冬は洗濯の外干しが寒くて辛いため、コインランドリー代がかかる場合があります。

このコインランドリー代を節約したい場合は、調湿する内装材を使うことが有効です。

もみの木ハウスさんでは調湿するもみの木の内装材を使用しているため、洗濯物を夜に室内に干しておけば朝には乾いています。

部屋干しができれば寒い中で外に洗濯物を干す必要がなく、コインランドリー代もかかりません。

 

まとめ

冬の光熱費・電気代を節約することを家づくりの視点から考える場合

  • 高気密・高断熱の家を建てる
  • オール電化にする
  • 調湿する内装材を使う

これらが重要になってきます。

特に「高気密・高断熱の家」については、2025年4月より施行される予定の建築基準法改正とも大きく関わってきます。これから家を建てるのであれば改正後の断熱基準をクリアした家を建てることを考えたほうが良いです。

高性能な家を建てることが結果的に冬の光熱費・電気代の節約にもつながります。家を建てる初期のコストが掛かったとしても、長期的に見るとランニングコストを抑えることができるので、総合的に判断しましょう。

高気密・高断熱の家を建てる際は、高気密・高断熱の家を建てた経験が豊富な住宅会社選びも重要になってきます。

これまで高気密・高断熱の家を建てたことがない住宅会社に依頼した場合、必要な断熱性能を満たせない場合もあるので、住宅会社選びは慎重に行う必要があります。

 

工事写真の撮り方解説!

工事写真を撮る目的は?

はじめに:工事写真を撮る目的は?

工事写真を撮る目的は、工事の施工状況や施工経過、使用材料などを記録するために必要です。工事写真は以下で紹介する資料としても活用されているので、参考にしてください。

  • 品質管理の確認
  • 維持保全の資料
  • 問題解決の資料

建設工事は完成後の目で見える箇所だけではなく、見えない箇所もあり、施工箇所の確認手段として写真を利用しています。

また「設計書通りの品質を担保しているか」「トラブルが起きた際の対応策を記録する」といった具合に、工事の証明として写真を撮影しています。

 

工事写真を撮影するときの流れ

工事写真を撮影するときの流れ

工事写真は現場経験の浅い人や、立場の下の人が撮る機会の多くなる業務です。写真を通して現場の流れを把握できるという理由から任されることが多いため、写真の手順を覚えておきましょう。

写真を撮影する流れを以下の順に詳しく見ていきましょう。

  1. 写真撮影の計画を立てる
  2. 撮影機材を準備する
  3. 写真を撮る
  4. 写真をその場で確認する

工事写真の撮り方 手順1:写真撮影の計画を立てる

工事写真は、施工前・施工中・完成後という順番で写真を撮影します。工事計画書に写真の必要な箇所が記載されているため、工事写真を撮る場所やタイミングを考えなければなりません。

現場にいる職人さんの手を止めないように、あらかじめどのタイミングで撮影するのかを伝えておくと、現場がスムーズに進むでしょう。

土の中に埋まるものや、コンクリート打設前の鉄筋を確認する場合など、撮影するタイミングを逃すと、現場が止まってしまうため計画を立てて写真を撮影してください。

 

工事写真の撮り方 手順2:撮影機材を準備する

写真撮影する際、黒板をイチから記入していると時間がかかります。そのため、あらかじめ黒板に記入しておくと、現場に着いてから撮影までが円滑に進むでしょう。

また撮影箇所により計測する道具が必要なため、撮影機材の確認も忘れずに行うことが大切です。

工事黒板の書き方については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてくださいね。

工事写真の撮り方 手順3:写真を撮る

工事の進捗状況に合わせて写真を撮影します。写真撮影の際は、以下の点に注意しましょう。

  • 黒板の位置
  • 黒板は見やすく記入されているか
  • 施工前から完成後まで同じ向きで撮影する
  • 太陽の位置

工事写真は誰が見てもわかりやすく撮影することが基本です。そのため、撮影する向きを一定にする必要があります。

写真撮影では、太陽の位置もあわせて注意してください。黒板・レンズが反射して見えづらい写真になることや、太陽を背にすると人影が映り込んだりするため、気をつける必要があります。

上記で紹介した4点に考慮し、一定の位置から写真撮影するとわかりやすい写真が撮れるでしょう。

 

工事写真の撮り方 手順4:写真はその場で確認する

工事写真の撮影が終わったら、その場ですぐに確認してください。完璧に撮れたと感じていても「写真がブレてぼやけている」「必要な箇所が写っていない」など、トラブルが起きやすいため注意しましょう。

写真が綺麗に撮れていないと判断したら、その場で撮り直すだけで済みます。

しかし、写真撮影が完了したことを職人に伝えると次の工程へ進みます。次の工程に進んでしまっては、写真撮影ができない可能性もあるので気をつけてくださいね。

工事写真の撮り方のポイント5つ

工事写真の撮り方のポイント5つ

工事写真の手順について解説してきました。工事写真を綺麗に撮るには、5つのポイントを抑えることが大切です。それぞれ1つずつ紹介しているので、写真撮影の前に確認しておきましょう。

5W1Hが分かるように撮る

工事写真を撮る際は、5W1Hを意識すると綺麗に撮影できます。5W1Hの内容は以下の通りです。

  1. When(いつ)施工時期・日時
  2. Where(どこで):工事場所・撮影場所
  3. Who(誰が):立会人・請負業者
  4. What(何を):工事名・種目
  5. Why(何のために):工事の目的・寸法
  6. How(どのように):施工方法・施工状況

上記の内容を網羅した写真撮影ができれば、誰が見てもわかりやすい写真が取れます。また、写真だけでは伝わりにくい情報を、黒板や測定道具を利用することでよりわかりやすい写真になるでしょう。

撮影計画を立てる

工事写真は施工状況に合わせたタイミングで撮影することが大切です。

例えば、道路を盛土する際は規定の高さで転圧されているかの確認をする必要があり、転圧写真を撮ります。転圧写真がない場合は、規定の高さで転圧をしていたにもかかわらず、確認作業に時間をとられ、現場が止まってしまう可能性もあります。

上記で紹介したようなトラブルが起きないよう、撮影計画を立てて写真の撮り忘れや漏れをなくすようにしましょう。

 

写真撮影の位置を考える

工事写真は基本的に同じ方向から撮り続けるものです。理由としては、写真を撮る方向がバラバラだと、同じ施工箇所だと認識しづらいからです。

工程や現場の状況を考えて、写真撮影する位置を固定しましょう。

また、現場の着工前から着工後の進捗状況を把握するために「全景写真」を撮影します。全景写真の際はとくに、定点を見極めて写真撮影することが大切です。

 

黒板の置く位置に注意する

工事写真を撮る際は、黒板の置く位置にも注意してください。

工事黒板には、写真では伝わりにくい情報を補足する役目もあるため、適当に置くと撮り直しになる場合があります。そのため、「カメラと黒板の位置を確認する」「太陽で反射されていないか」「施工箇所に被っていないか」の3点に注意して撮影してください。

 

撮った写真を編集しない

工事写真は施工内容、施工手順の記録と証拠のために撮影します。そのため「画像の色彩を変更する」「画像をトリミングする」といった行為は認められていません。

工事写真の流れでも解説しましたが、撮影した写真はその場ですぐに確認し、不具合があればその都度撮り直してください。

撮影した写真が見にくいからといって、画像を編集することだけはやめてくださいね。

工事写真の撮影はアプリが便利?

工事写真の撮影はアプリが便利?

従来の写真撮影の手段から、「工事写真アプリ」に変更すると業務の効率化に期待がもてます。工事写真アプリとは、写真管理に必要な機能を搭載したITツールのことです。

主な工事写真アプリの機能は以下の通りです。

  • 電子小黒板付き撮影機能
  • 写真の保存
  • 写真整理
  • 写真台帳作成

工事写真アプリを利用することで、黒板・デジカメを携行する必要がなくなり、現場に持ち込む荷物が最小限で済みます。工事写真アプリのメリットも確認していきましょう。

  1. 工事黒板を記入する手間がなくなる
  2. スマホ・タブレット1つで写真撮影が行える
  3. 写真共有・写真管理が簡単にできる

工事写真アプリは電子小黒板を利用するため、黒板に文字を記入する手間がなくなり、1人でも写真撮影が行えます。

また、工事写真アプリはインターネットを経由して管理しているものが多いです。そのため、インターネットにつなぐだけで、現場で撮影した写真をどの場所からでも確認できるのも特徴の1つです。

 

まとめ

まとめ

工事写真は、工事の施工内容や使用材料が正しいかどうかを証明するために使用します。

工事写真は誰が見てもわかりやすい撮影を心がける必要があり、以下のポイントを把握することでわかりやすい写真が撮れます。

  • 5W1Hを意識した写真撮影
  • 撮影位置を固定する
  • 黒板の置く位置を配慮する

従来の工事写真のデメリットとして、デジカメ・黒板・チョークなどの携行物が多くなることでした。デメリットを解決するために、写真業務に特化した「工事写真アプリ」を離昇することも検討してみてはいかがでしょうか。

建設業界はいまだにITツールの普及が遅れているため、写真業務に膨大な作業時間が必要とされています。

工事写真アプリを導入して、写真業務を効率よく行い、働き方を見直すキッカケとなれば幸いです。

 

現場TECHから引用