株式会社Y's upの建設業ブログ

建設現場で気を付けたいこと

建設業界では、「安全第一」を掲げて日々安全対策が行われています。施工管理の方々をはじめ、現場で働くすべての人が、安全に作業が進められるよう努力をしているのは間違いありません。しかし、いくらルールが徹底されていても、意外と見過ごされがちな「実は危ない行動」が存在するのも事実です。

今回は、そんな「見落としがちな危ない行動」について5つ挙げ、皆さんに再確認していただきたいと思います。特に若手の方はもちろん、ベテランの方にも参考にしていただける内容ですので、ぜひ最後まで読んで安全意識を高めてください。

 

1. 何気なくやってしまう「ちょっと飛び降りる」行動

最初に注意すべき行動は、何気なくやってしまいがちな「ちょっと飛び降りる」という行動です。たとえば、腰くらいの高さの場所からぴょんと飛び降りること、脚立の2段目から飛び降りること、鉄筋を乗り越えて飛び降りることなど、現場ではよく見かける光景ではないでしょうか。「これくらいの高さなら大丈夫」と軽く考えてしまうことも多いですよね。しかし、その油断が事故の原因になることを忘れてはいけません。

建設現場は、普段の生活とはまったく異なる環境です。周囲には尖った物や工具が散乱していることが多く、特に安全装備を着けた状態では、予期せぬリスクが増えます。作業中、腰道具や安全ベルトが何かに引っかかることもよくあります。たとえ高さが50cmや60cm程度だとしても、何かに引っかかれば体勢を崩し、最悪の場合、頭から落ちてしまう可能性も十分にあるのです。

そのため、飛び降りる前には必ず周囲を確認し、腰をしっかり落としてから慎重に足だけを下ろすようにしましょう。「ちょっと飛び降りる」という何気ない行動が、重大なケガや事故につながるリスクがあることを忘れずに、常に慎重な行動を心がけることが大切です。

 

2. 危険から「隠れる」行動のリスク

次に注意すべきは、「危ないから隠れる」という行動です。例えば、重機が動いているときに、つい物陰に隠れて安全を確保しようとすることがあります。特にバックホーなどの大型重機が旋回している際に、「危ないかもしれない」と感じて隠れるのは、間違いではないように思うかもしれませんが、実際には非常に危険です。

なぜなら、重機のオペレーターは全方向を常に確認できるわけではありません。視界に入らない場所にいる人は、オペレーターにとって「いないもの」として扱われることがあります。物陰に隠れたまま、オペレーターが重機を動かすと、自分の存在に気づいてもらえず、大事故につながる可能性が高まります。特に重機が急に動いたり旋回する場合、隠れていた人が巻き込まれるリスクがあります。

したがって、危険を感じたときは、物陰に隠れるのではなく、まずオペレーターに自分の存在を知らせましょう。目を合わせて自分の位置をしっかり認識してもらったうえで、安全な場所に移動することが重要です。

 

3. 親綱を使った墜落防止の過信に注意

3つ目に紹介するのは、親綱を使った墜落防止に過信してしまう行動です。親綱とは、墜落防止のために設置される太いロープで、鉄骨の組み立て作業などでよく使用されます。親綱に安全帯を掛けて作業を行うのは標準的な対策ですが、問題は「適当に設置された親綱」を過信してしまうことにあります。

工事が進む中で、一時的に設置された親綱や、しっかり固定されていない親綱を頼りにするのは非常に危険です。墜落防止用に設置されたものが不完全であれば、いざというときにまったく機能せず、かえって大事故を引き起こしかねません。

しっかりとした設備が整っている場合は別ですが、適当に設置された親綱に頼ることは避け、必要に応じて正式な設備やしっかりとした墜落防止策を講じることが非常に重要です。親綱の使用に関しては常に慎重な対応が求められます。

 

4. 後ろ向きで歩くことのリスク

4つ目の危険行動は、後ろ向きで歩くことです。現場で作業員同士が会話をしているとき、つい「お疲れ様でした」と言いながら後ろに2歩ほど下がることはよくあります。何気ないこの行動が、予期せぬ事故の原因になることをご存知でしょうか?

現場では、状況が刻一刻と変化します。数分前には安全だった場所に、突起物や資材が置かれていることもよくあります。後ろ向きで歩いていると、足元の確認ができないため、いつの間にか障害物にぶつかったり、穴に落ちたりしてケガをするリスクが高まります。また、工具や資材を持っている他の作業員とぶつかってしまうと、重大な事故につながる可能性もあります。

安全に動くためには、後ろ向きに歩くことを避け、常に目の前の状況を確認しながら行動することが不可欠です。現場では視界がすべて。周囲をしっかり確認し、事故を防ぐためにも、後ろ向きで動くことは避けましょう。

 

5. 軍手でベビーサンダーを使う危険

最後に紹介するのは、軍手をはめたままベビーサンダーを使用することの危険です。ベビーサンダーは金属や鉄などの素材を切断するために使用される工具で、回転する刃が非常に高い速度で動いています。しかし、軍手をつけたままこの工具を使うことは非常に危険です。

軍手の繊維や毛が回転する刃に巻き込まれる可能性があり、最悪の場合、手や指が工具に巻き込まれてしまうことがあります。軍手が刃に絡みつくと、あっという間に手全体が巻き込まれるため、非常に深刻なケガを引き起こすリスクがあるのです。

ベビーサンダーを使う際には、必ず毛がない革手袋を使用することが推奨されます。革手袋は巻き込みにくい素材でできているため、軍手に比べてはるかに安全です。非常に便利な工具だからこそ、使用する際には特に慎重な姿勢で安全に配慮することが求められます。

安全意識を高め、現場での事故を防ごう

以上、今回ご紹介した「実は危ない行動5選」は、どれも現場でよく見られるものですが、実際にケガや事故につながる危険性を持っています。特に新人や若手の方々には、こうした行動を避けるよう注意していただきたいと思います。また、ベテランの方々もご自身の行動を見直し、若手に適切な指導を行うことで、現場全体の安全意識を高めていきましょう。

建設現場での作業は、常にリスクと隣り合わせです。しかし、少しの意識と工夫で事故を防ぐことができます。今回の内容を参考に、ぜひ安全な作業を心がけてください。そして、現場での安全意識向上に向けて、皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

建設業の人手不足の原因とは?

建設業の人手不足の原因とは? 2025年問題に備える解決策を紹介

 建設業では、人手不足が深刻な問題となっています。人手不足の原因として挙げられるのが、労働人口の減少や、給与水準の低さによる新規雇用の減少、建設業の需要拡大などです。

2025年には、建設業の労働人口が約90万人不足すると予測されています。そのため、建設業の人手不足を早期に解決することが重要です。本記事では、建設業の人手不足の原因や、人手不足を解消する手段について詳しく解説します。

建設業の人手不足が進む原因とは?

 少子化に伴う人口減少の影響により、さまざまな業界で人手不足が問題視されています。建設業も例外ではなく人手不足が進行しており、企業の経営層や人事部門担当者にとって大きな課題となっています。ここでは、建設業の人手不足が進む主な原因である「働き手の高齢化」「給与水準の低さ」「建設業の需要拡大」について解説します。

高齢化が進んでいる

 建設業における人手不足の原因のひとつに、労働人口の高齢化が挙げられます。

国土交通省が2021年10月にまとめた「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、2020年における建設業の就業者数は492万人で、ピーク時の1997年の685万人と比べて約28%減少しています。今後も労働人口は減少すると予想されていており、高齢化の進行による技術継承問題などが懸念されます。

建設業の労働人口が減少している背景には、建設業に対する悪いイメージがあります。建設業では屋外や高所での作業することが危険な印象や、「体育会系の雰囲気が強い」「長時間労働がある」といった印象が、若者に敬遠されている一因とも考えられます。

若者の新規雇用を促進できないことで、現在働いている中年層が長く働き続け、高齢化を進行させているという悪循環に陥っています。

給与水準が比較的低い

 ほかの業界と比較して給与水準が低いことも、人手不足の原因のひとつです。

国土交通省が公表している「建設業における賃金等の状況について」によると、製造業の賃金ピークが50~54歳であるのに対し、建設業の賃金ピークは45~49歳です。製造業よりも早く、40代後半で賃金のピーク時期に達しています。

日給制を採用している企業では、悪天候による作業停止や欠勤などによりその日の給与が変動するため、給与額が安定しません。このように、一般的な月給制を採用している企業よりも収入が安定しない点も、新規雇用が拡大しない原因でしょう。

建設業の需要が拡大している

 建設業の人手不足や高齢化が問題視される一方で、建設業の需要そのものは拡大しています。

国土交通省の「令和4年度(2022年度) 建設投資見通し 概要」によると、2015年頃から建設投資額(名目値)は右肩上がりとなっており、2022年度の建設投資は66兆9,900億円(前年度比0.6%増)にのぼる見込みです。内訳は、政府投資が22兆5,300億円(前年度比3.7%減)、民間投資が44兆4,600億円(前年度比2.9%増)となっており、特に民間での需要が大きいことがわかります。

こうした需要の高まりに対し、人材供給が間に合っていないという実情があります。国土交通省が実施した「建設労働需給調査」によれば、2022年11月における全国の過不足率は8職種で1.3%「不足」、6職種で1.7%「不足」となっています。さらに、翌々月・翌々々月の労働者の確保に関する見通しについては、どちらも2割超が難色を示しているとのことです。

今後もしばらくは需要が上がり続けると予想されますが、このまま需要と供給のバランスを欠いた状態が続けば、作業者1人あたりの負担が増加していき、やがて人離れに発展する可能性は否めないでしょう。

ICT×建設のノウハウで建設現場DXをトータルサポート
ICT×建設のノウハウで建設現場DXをトータルサポート

建設業界は、人材不足や業務効率化などをはじめとしたさまざまな課題を抱えています。
こうした課題を解決するためには、建設業界ならではの事情や背景を把握した提案が必要になります。
NTT東日本は、ICTと建設業の知見をかけ合わせた新会社ネクストフィールドを立ち上げ、建設業界の課題解決を支援します。

建設業の人手不足を改善する方法

 建設業の人手不足は現在も進行います。ここでは、人手不足を解決するために重要な若手の新規雇用や、生産性の向上などにアプローチする方法をご紹介します。

業界のイメージを向上させる

 建設業に対する若者のイメージは、危険な作業や過酷な労働環境という印象が先行し、体力的・精神的に厳しい仕事と捉えられがちです。それだけでなく、天候に左右される不安定な業務であることや、「休日が多くない」「長時間労働」というイメージを持つ若者も多いことでしょう。

若手の新規雇用を促して人手不足を解消するには、上記のようなイメージを払拭しなければなりません。現在では、働き方改革や業務内容の見直しなどにより、職場環境の改善に取り組んでいる企業も多くあります。過去には、国土交通省による「建設業イメージアップ戦略実践プロジェクトチーム(CIU)」が発足され、建設業のイメージアップが国を挙げて進められました。

実際に行われている具体的な取り組みとしては「建設現場の仮囲いをデザイン性の高いものにする」「働く車(重機)のイベントを実施する」などがあります。一般の方や子どもたちに向けて、「肉体労働で苦しい」といったイメージを払拭するイベントを開催し、企業や建設業全体のイメージアップを図っています。

 

工期を適切に設定する

 建設業では、工期が短いことも大きな問題です。

前述したとおり、建設業では就業人口が少ないにもかかわらず、建設業に対する需要は拡大しています。

そのため、多くの建設現場をスケジュール通りにこなせるよう、工期が短く設定され、各工程をこなすために残業が生じて、長時間労働が発生しやすくなっています。

長時間労働が続くと、現場で働く労働者への負担が増え、離職率が高まることも懸念されます。労働者の負担を軽減したり、離職を防いだりするには、余裕を持った工期を設定することが重要です。

国土交通省による「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」でも、適切な工期を設定して働き方の改善を図り、発注側が余裕を持った工期の設定の重要性を理解することも重要だとしています。

生産性を向上させる

 人が手動で行う作業をロボットやAI、ICTなどによって自動化したり、業務を効率化したりすることも重要です。作業を効率化して生産性の向上を図ることで、少ない人数でも業務をこなせるうえ、業務自体のクオリティ向上も期待できます。

たとえば、クラウド上で図面や工程画像を管理する方法が挙げられます。従来までは、紙やCD-ROMなどの物理的な方法で、図面や工程画像を管理することが多く、複数人で共有するには場所や時間を合わせる必要がありました。しかし、クラウドで管理すれば、時間や場所にとらわれず、ネットワーク環境さえあればいつでもどこでも図面や工程画像を確認できます。

さらに、AIによる作業の自動化も効果的です。ルーチンワークや監視といった作業をAIに代行させることで、作業時間の短縮やヒューマンミスの防止に役立てられます。近年では、設計や画像認識などにもAIが導入されるなど、現場のICT化が進められています。ICT化については、次項で詳しく解説します。

 

建設業における効率化のカギ「ICT」とは

 

建設業のICT化を進めることで、業務効率化や人手不足の解消が期待できます。AIやロボットを活用すると、作業を単純に機械化・デジタル化するだけでなく、人ができない高度な作業も実現できます。以下では、ICTの概要やできることを解説します。

ICTとは「情報通信技術」のこと

 ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、日本語では「情報通信技術」と訳されます。身近な例でいうと、メールやSNSなどを通じたコミュニケーションが挙げられます。「コミュニケーション」という単語が入っていることからもわかるように、ITを使った情報共有や情報伝達がICTと呼ばれます。

建設業におけるICTには、たとえば図面や工数をスマートフォンやタブレットを使って共有したり、現場を遠隔地から監視できるよう、現場にカメラを設置したりする方法が考えられます。ほかにも、資料や画像をデータ化してオンラインで共有する、ドローンを用いて測量するなどの方法もあります。

建設業にICTを取り入れることで、従来の方法でヒューマンエラーが多かった作業や、工数が多くかかっていた作業などの改善が可能です。

 

建設業のICTが求められる背景について

 建設業は他業界と比較して生産性の向上が遅れています。日本生産性本部が内閣府の「国民経済計算」をもとに作成した「主要産業の労働生産性水準の推移」によると、産業別の名目労働生産性において、建設業は1時間あたり及び1人あたりの指標が低く、1位の不動産業と比べて7倍以上の差がついています。

ICTによって実現できること

 建設業にICTを導入すると、さまざまな効果が期待できます。

たとえば建設業では、職人の高齢化と後継者不足により、技術や知識の継承が難しいという問題があります。

しかし、ICTを導入すれば、熟練の技術と知識を持った職人にしかできなかった業務(属人化)も機械化することが可能です。

作業によっては、従業員の間で作業時間に差が出たり、ミスの量が異なることもあるでしょう。

難しい作業を機械化すれば、人の手によって発生する人的ミスも防げます。測量や設計などにICTを取り入れれば、人によるケアレスミスや誤差が発生せず、正確な数値で作業ができます。

さらに、ICTの導入によって、作業時間の短縮や業務プロセスの効率化も見込めます。

労働時間を短縮できれば、労働者の負担を軽減できるうえ、「長時間労働が多い」というイメージの払拭につながるため、職場改善や新規雇用の促進にも効果が見込めます。

このように建設業のICT化は、人手不足をはじめとする諸問題に対し、ひとつの解答を示した取り組みといえます。

建設労働の需要は今後も増加が予想されるため、安定的に事業を継続するには、人手不足の解消や業務改善が不可欠です。

これらを実現するためにも、ICTの導入をおすすめします。

まとめ

 建設業では人手不足をはじめ、労働人口の高齢化や生産性の低さなど、さまざまな問題があります。少子高齢化や2025年問題が加速する前に、これらの問題を早期に解決することが求められます。

 上記の問題を解決するには、各企業が建設業のイメージアップを図ること、さらにICTの導入により業務効率化を促すことが重要です。今回紹介した内容を踏まえ、今から対策を講じましょう。

冬の外装塗装

冬の外壁塗装が実はおすすめな理由とは?

冬は外壁塗装を避けるべき季節だと思われがちですが、実は多くの利点があるため、プロの塗装業者も冬の施工をおすすめしています。

冬ならではの特長が、外壁塗装の質を向上させたることや、スケジュール、コスト面でメリットをもたらすことがあるのです。

ここでは、冬の外壁塗装がなぜおすすめなのか、その理由を3つの観点から詳しく見ていきましょう。

 

乾燥が早い

冬の外壁塗装がおすすめされる大きな理由のひとつは、乾燥が早いことです。

冬は空気が乾燥しているため、塗料の乾燥がスムーズに進むという利点があります。特に夏の湿度が高い時期と比べると、湿度が低い冬は乾燥時間が短く、施工スピードも向上します。

外壁塗装において、塗料の乾燥時間は施工の仕上がりに大きく影響します。

湿度が高いと塗料がうまく乾かず、表面にムラや気泡ができるリスクがあります。しかし、冬の乾燥した空気ではこうした問題が少なく、均一できれいな仕上がりが期待できるのです。

 

業者のスケジュールが取りやすい

冬は、外壁塗装を依頼する上で業者のスケジュールが取りやすい時期です。

一般的に外壁塗装の繁忙期は春や秋で、依頼が集中するため予約が取りづらくなることがあります。しかし、冬は閑散期となり、依頼が少ないため業者のスケジュールに余裕が生まれます。

スケジュールに余裕があることで、施工日程の調整がしやすく、希望通りの日程で施工を進められる可能性が高まります。

また、施工中に天候の影響で工事が一時中断しても、柔軟に対応してもらいやすいというメリットもあります。結果的に、ストレスなく工事を進めることができるでしょう。

 

コスト面でお得になる可能性がある

冬の外壁塗装は、コスト面でもお得になる可能性があります。冬は外壁塗装業界の閑散期であり、業者によっては特別価格や割引を提供している場合があります。

繁忙期には見られないこうした料金設定は、閑散期ならではのメリットです。

また、業者のスケジュールが空いていることも、コスト面に影響します。繁忙期ではスケジュールが詰まっているため、業者の対応が限られることもありますが、冬はその点で柔軟な対応が可能です。

結果的に、希望する日程での施工が実現しやすく、コスト面でも無駄が減ります。適切な業者を選ぶことで、コストパフォーマンスの高い外壁塗装を実現できるでしょう。

 

冬に外壁塗装を行う際の注意点

冬の外壁塗装には多くのメリットがある一方で、施工を成功させるためには注意すべき点もいくつか存在します。気温が低すぎると塗料に影響が出ることや、天候によっては施工が中断されることもあります。そのため、冬場に外壁塗装を行う際には、あらかじめリスクや対策を理解し、しっかりと準備することが重要です。

ここでは、冬に外壁塗装を行う際に気をつけるべき主な注意点をご紹介します。

 

気温が低すぎると塗料に影響が出る

冬の外壁塗装で最も注意すべき点は、気温が低すぎると塗料に悪影響が出る可能性があることです。

特に、気温が5℃以下になると、ほとんどの塗料が正しく乾燥しにくくなり、塗膜(ぬりまく)の仕上がりが不均一になることや、剥がれやすくなるリスクが高まります。

気温が下がると塗料の粘度も上がり、塗装作業自体が難しくなるため、施工の質に悪影響を与えかねません。

したがって、冬に外壁塗装を行う際は、気温をしっかりと確認し、適切な時間帯に施工を行うことが必要です。また、冬場に適した塗料を選ぶことや、天気予報を確認して気温の変動に対応することが大切です。

 

日照時間が短くなってしまう

冬は他の季節に比べて日照時間が短く、特に日本の北部では午後4時頃には日が沈んでしまうことが多いです。

外壁塗装は明るい時間帯に行うのが望ましく、暗くなると塗料の塗りムラや作業ミスが発生しやすくなります。

そのため、冬場は日中の作業時間が限られるため、作業効率が落ちてしまうのです。

さらに、夕方になると気温も急激に下がるため、作業が終わった後の乾燥時間にも影響が出ます。

気温が低いと塗料が乾きにくく、完全に乾燥するまでに通常よりも時間がかかることがあります。このように、冬の塗装では日照時間の短さが作業全体に悪影響を及ぼす可能性があるため、効率的な施工を行うためには、できるだけ早い時間帯に作業を開始する必要があります。

また、冬の短い日照時間に対応するために、塗装業者が特別な照明設備を使用する場合もありますが、人工照明下での作業は、自然光下に比べて視認性が低いため、塗装の仕上がりに影響が出る可能性もあります。

そのため、日が短い季節では、天候の安定している日に集中して作業を進めるか、工期を調整して無理のない範囲で施工を進める計画が必要です。

業者とのスケジュール調整が非常に重要なポイントとなるため、事前に十分な打ち合わせを行い、無理のない施工計画を立てることが不可欠です。

 

施工が不可能な日もある

冬の外壁塗装では、天候の影響で施工が不可能な日が出てくることもあります。

特に雨や雪が降る日、または湿度が極端に高い日は、塗料が乾燥しにくくなるため、施工を中止する必要があります。さらに、気温が極端に低い日も塗料の乾燥に影響を与えるため、工事の進行が遅れる可能性があります。

このような天候による中断を避けるためには、事前に天気予報をしっかり確認し、施工スケジュールに余裕を持たせることが重要です。

特に冬場は、天候の変動が予測しにくいことが多いので、施工業者と綿密に打ち合わせを行い、予備日を設定するなど、フレキシブルに対応できるよう準備を整えておくと良いでしょう。

 

雪によって工期が大幅に延びることが

冬場の外壁塗装で避けられないのが、雪による影響です。特に日本の雪が多い地域では、塗装工事が雪によって中断することがしばしばあります。

雪が降ると、塗装面に積もることで塗装作業を中断せざるを得なくなり、施工が再開できるまでに数日間待つ必要が出ることもあります。

雪が積もることで、塗料の乾燥が妨げられるだけでなく、塗装面が損傷することもあります。

積雪によって塗膜に圧力がかかり、乾燥途中で割れや剥がれが生じる場合もあります。

そのため、雪が降り始める前に、施工部分がしっかりと保護されているか確認することが重要です。雪が予想される日には、あらかじめ防水シートやカバーを準備し、作業を中断する準備を整えておく必要があります。

また、雪の影響で作業が遅れると、工期全体が延びてしまうため、施工スケジュールの調整が必要です。

事前に予備日を設けておくことで、雪による予期せぬ中断があっても、計画通りに進めることが可能です。特に雪が多い地域では、業者としっかりとコミュニケーションを取り、柔軟なスケジュール管理が求められます。

さらに、豪雪地帯では、雪によって工期が数週間延びることも珍しくありません。

長期間の中断が発生した場合、塗装作業の途中で雪や水分が侵入し、既に塗った部分が損傷するリスクも高まります。

そのため、雪の日が続く場合には、施工中の防護策を徹底するか、無理に作業を進めず、天候が安定するまで待つのが賢明です。

 

霜が降りると仕上がりが悪くなる

冬場の塗装では、霜が降りる時間帯に特に注意が必要です。早朝や夜間に霜が発生すると、外壁の表面が湿気を含み、塗料がうまく定着しないことがあります。塗料が湿った状態の外壁に塗られると、乾燥時に気泡が発生することや、

塗膜が剥がれやすくなるリスクが高まります。これにより、塗装の仕上がりが悪くなり、短期間で外壁の劣化が進む可能性があります。

霜が原因で塗装の不具合が起こると、再施工が必要になることもあるため、特に冬場の塗装工事では、施工前の外壁の状態をしっかり確認することが大切です。

霜が降りている朝や、湿度が高い時間帯は、塗装作業を開始する前に十分な乾燥時間を設け、表面が完全に乾いていることを確認する必要があります。

また、塗装業者は天候や外壁の状態を常にチェックし、霜の影響がない時間帯に作業を進めることが重要です。

霜が発生しやすい地域や、特に寒冷な地域では、霜や結露の対策として、外壁の清掃や乾燥に十分な時間を確保することが求められます。

必要に応じてヒーターや送風機を使って、外壁表面の乾燥を促進する場合もありますが、これらの対策はコストが増える可能性もあるため、事前に業者と相談して施工計画を立てるのが賢明です。

霜による影響を防ぐためには、天候や気温の変化に柔軟に対応し、作業を進めることが成功のカギとなります。

霜や結露を避け、乾燥したタイミングを見計らって作業を行うことで、塗料の密着度が高まり、耐久性の高い外壁塗装が実現します。

 

正しい塗料の選び方が重要

冬の外壁塗装では、気温や湿度の影響を受けにくい塗料を選ぶことが成功の鍵となります。特に、低温環境下でもしっかりと硬化する塗料を使用することで、塗膜の品質が保たれ、仕上がりが良くなります。一般的な塗料では、気温が低いと乾燥や硬化に時間がかかり、品質が劣化するリスクが高くなるため、冬季に適した塗料の使用が重要です。

例えば、「低温対応塗料」や「速乾性塗料」など、冬場に適した塗料が多く存在します。

これらの塗料は、冬の寒さや乾燥した空気の中でも優れた性能を発揮し、施工後も長期間にわたり美しい仕上がりを保ちます。業者と相談して、最適な塗料を選ぶことが、冬の外壁塗装の成功に繋がります。

 

冬の外壁塗装を成功させるためのポイント

冬に外壁塗装を行う際、メリットを最大限に活かしながら、リスクを回避するためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。気温や天候の変化に柔軟に対応し、適切な塗料選びや綿密な打ち合わせを行うことで、施工の質を高めることができます。

ここでは、冬の外壁塗装を成功させるための3つの重要なポイントをご紹介します。

 

地元の塗装業者に依頼する

冬に外壁塗装を行う際には、地元の塗装業者に依頼することが成功のカギになります。地元業者は、地域特有の気候や冬の天候に関する知識が豊富で、気温や湿度などの影響を最小限に抑えるための対策を熟知しています。また、地域の気候に合わせた塗料の選び方や、施工のベストなタイミングについてもアドバイスしてくれるため、信頼性の高い施工が期待できます。

さらに、地元業者であれば、施工後のアフターケアも迅速に対応してもらえるメリットがあります。トラブルが起きた場合でも、すぐに現場に駆けつけて対応してもらえるので安心です。冬のように気温や天候の変動が大きい時期だからこそ、地域に密着した業者との連携が大切です。

 

業者との綿密な打ち合わせ

冬の外壁塗装を成功させるためには、施工業者との綿密な打ち合わせが欠かせません。冬場は気温や天候の影響を受けやすいため、施工スケジュールや天候の変動を考慮して、柔軟に対応できる計画を立てることが重要です。

例えば、天気予報をもとに施工日を調整したり、予備日を確保したりしておくことで、悪天候による工事の遅れを最小限に抑えることができます。また、塗料の乾燥時間や施工中の温度管理についても、業者と事前に話し合い、最適な対応策を講じることが成功のポイントです。

 

天候予報をしっかり確認する

冬の外壁塗装では、天候予報の確認が特に重要です。冬場は気温が低く、さらに雨や雪が降る日も多くなるため、天候によって施工が中断されるリスクがあります。塗装作業は、気温が5℃以上で雨や雪が降らない日が望ましいですが、塗料がしっかり乾くためには、天候が安定していることが必要です。

施工を成功させるためには、事前に天気予報を綿密にチェックし、適切な施工日を選ぶことが欠かせません。また、業者と協力して、予備日を確保しておくことで、悪天候が続いた場合でも柔軟に対応できるようになります。特に冬の天候は変わりやすいため、最新の天気予報を常に確認しながらスケジュールを組むことが大切です。

 

まとめ

本記事では、冬の外壁塗装が実はおすすめな理由について詳しくお伝えしました。

冬は乾燥が早く、業者のスケジュールも取りやすいため、施工の質が向上しやすい時期です。また、コスト面でもお得になる可能性があるなど、冬には多くのメリットがあります。

ただし、冬場の低温や天候の変動に対する注意も必要です。施工の成功には、適切な塗料の選定や業者との綿密な打ち合わせ、天候予報の確認が欠かせません。地元の業者に依頼することで、地域の気候に合った対応をしてもらい、スムーズな施工が期待できるでしょう。

冬に外壁塗装を考えている方は、今回紹介したポイントを踏まえて、賢く冬場の施工を進めてください。行動に移すことで、きれいで耐久性の高い外壁を手に入れることができます。