株式会社Y's upの建設業ブログ

外壁の苔問題

外壁に苔が生える原因

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    壁に苔が生えている。

  • 新築してまだ数年、あるいは塗り替えて間もないのにどうして・・・?日曜日にケルヒャーで洗浄したら一旦は綺麗になった。ところが半年も経たないうちにまた苔が生えてきた!なんて経験はないでしょうか?

    苔が繁殖すると美観を損ねてしまうだけではなく、実は人体にもあまり宜しくありません。

    業界用語では微生物汚染と言い、苔はカビと同じで菌を殺さないとまたしつこく生えてきます。ただしバイオ洗浄では根本解決にはなりません

     

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    重要なことは生えた苔を除去することではなく、なぜ苔が生えるのか?です。

    苔が生える要因としては、

    ・家が湿気の多い場所に立地している(山に近い)
    ・陽当りが悪い
    ・風通しが悪い
    ・外壁に通気性がない
    ・壁の中の断熱材が湿気ている

    などがあります。

     

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    苔が生えやすい場所としては、

    ・山側に面した外壁
    ・隣家との境界面
    ・ベランダの手すり壁内側
    ・北面
    ・1階

    など。苔に悩んでいる方はこのどれかに心当たりがあるはずです。

     

苔が生えてしまった場合の対策

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    苔がはえてしまった場合の対策は、第一に除去することです。

    通常の7~9Mpaの高圧洗浄で落ちますが、梯子などで洗浄する場合は安全面で不安が残ります。

    洗浄作業をする場合でも仮設足場が必要です。

    プロに依頼した場合の価格の目安は、

    ・仮設足場代・・・住宅1棟 約16~20万円程度
    ・バイオ洗浄・・・・住宅1棟 約6~7万円程度

    苔を滅菌する洗浄剤は別途となります。

    ただし、コケが生える原因を改善しなければいくらバイオ洗浄しても再発するので、洗浄の意味はありません。

     

苔が生える根本原因と解決策

【原因1】外壁の通気性が低い

 

苔が生える原因として気付かれにくいのが通気性の悪さ断熱材の湿気です。

昨今の住宅の外壁は通気工法といって、壁の中に隙間が設けられておりますが、この中に溜まった湿気が逃げず、外壁表面に苔を生えさせているケースがあります。

これは立地条件というよりは構造上の問題です。湿った空気は上方に移動していきますから、

軒天部分に通気口(湿った空気の出口)を設けなければなりませんが、建物形状や立地条件によっては、

通気口を設けると風を伴う雨で雨水浸入口となる可能性があるために通気口を設けていないことが多いです。

すると年中壁の中は湿気が溜まっていることになり、

外壁表面に苔が生えるばかりではなく、構造用合板の腐食や断熱材の湿りなどの原因となります。

このようなケースでは、軒天に通気口を設けることが根本解決になります。

 

【原因2】断熱材が湿気ている

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    断熱材が湿気ていると外壁の断熱効果が著しく低下します。断熱効果が低下するとさらに苔が生えやすくなります。

    この場合は、断熱性能を下に戻してやらなければなりません。ひとつは、室内側の壁紙とボードを剥がして断熱材を交換する方法。

    もうひとつは、断熱塗料を外壁に塗る方法です。一般的に室内側の壁を剥がして断熱材を交換するのはコストもかかりますし、生活されている中での工事は大変です。

    外壁に断熱材を塗るには生活に支障はありませんのでおすすめです。

     

     

家に最も重要な性能は通気性能

 

なぜ壁の中の断熱材が湿気てしまったのか?です。

それは外壁の通気性が乏しいことが原因です。

新築時にはせっかく通気性が高い塗料を塗ってあったのに、塗り替え時に通気性の低い塗料を塗ってしまったのかもしれません。恐ろしいことです・・・。

住宅の寿命は通気性に比例します。

なぜなら木がある一定の湿気を超える水分を含むと腐りやすくなるだけではなく、セルロースを分泌します。これが白アリの大好物なのです。
ただ塗ればよい、というものでは決してないのです。

塗り替えされるときはどんな塗料を塗るかが肝心です。

下手をすれば苔が生えるのみならず家の寿命を縮めてしまうことになりかねません。

 

まとめ

住宅の外壁に苔が生えて汚れたように見えるのは、カビ・大気中の汚れなども付着しているためです。

放置することで外壁の劣化が早まる可能性があるため、ぜひ苔などの汚れが気になり始めた時点で対策を検討して下さい。

ご自宅の美しい外観を長く保てるよう、今回紹介した情報を参考にしていただけると幸いです。