株式会社Y's upの建設業ブログ

工事現場の騒音問題

要注意!工事現場へのクレームの主な原因は「騒音と振動」

工事現場では、「騒音」や「振動」を完全になくすことは不可能です。大型トラックの出入りや、建設機械を操縦するだけでも、騒音や振動が発生してしまいます。

しかし、工事に伴う騒音や振動は、近隣の住民の方々からすると、普段の静かな生活を脅かすことにもつながるので、工事現場へのクレームに繋がることが多々あります。

そこで今回は、工事現場における騒音と振動の原因や対策について詳しく解説します。

記事の最後には、作業員が騒音や振動を抑える意識を高める秘訣についても解説するので、ぜひ最後まで読み進めてください。

「騒音と振動」に関する規制

まずは工事現場における騒音や振動に関わる規制や法律について解説します。

騒音に関しては「騒音規制法」、振動に関しては「振動規制法」によって規制が実施されているので、1つずつ詳しく解説します。

法律1:騒音規制法とは

騒音規制法は、以下の4つの騒音について規制する法律です。

・特定の工場や事業場
・建設工事
・自動車騒音
・深夜騒音

騒音規制法は、個人の生活騒音は対象ではないため、アパートやマンションなどの隣人の騒音トラブルなどは、対象外となります。

今回の記事では、4つの騒音のうち「建設工事」に関する規制について詳しく解説します。

騒音規制法では、建設工事の中でも著しい騒音が発生する、くい打機やブルドーザーでの作業などの「特定建設作業」を規制の対象にしています。(ただし1日で作業が終わる場合は対象外)

具体的な規制については、環境大臣が振動の大きさの基準値や時間帯、日数、曜日により定めています。

法律2:振動規制法とは

振動規制法も規制対象や規制の内容については、騒音規制法と似ています。

規制対象となるのは以下の通りです。

・特定の工場や事業場
・建設工事
・道路交通

この中で、建設工事に関わる内容としては、騒音規制と同じく、くい打機やブルドーザーでの作業などを対象としています。

工事現場で騒音や振動が起こる「5つ原因」

どの工事現場も、できる限り騒音や振動は起こさないように注意しています。

しかし、ここで紹介するような場合は、どうしても騒音や振動が発生してしまいます。

こちらの項目では、騒音や振動が発生する主な「原因を5つ」ご紹介するので、注意して読み進めてください。

 

原因1:解体作業

工事現場における騒音や振動の原因として、代表的なのは建物の「解体作業」です。

重機にブレーカや圧砕機を取り付けて、コンクリート材や木材で作られた建物を壊していく作業では、重機自体の騒音や振動もありますし、解体したガレキが地面に落ちることでも騒音や振動が発生します。

 

原因2:建設機械の作業

工事現場で使われる建設資材の多くは、人の手では持ち上げられないような重い物が多く、資材を運ぶだけでも建設機械が必要となります。

先程の重機と同じく、大型の建設機械を移動させたり、操作するだけでも、騒音や振動が発生するので、取り扱いには注意が必要です。

 

原因3:大型車両の出入り

資材を運んだり、解体した廃棄物を運び出したりするために、工事現場では大型トラックの出入りが頻繁に行われます。

建設機械と同様に、大型車両が移動したり、大型車両に荷物を載せたり、下ろしたりする際にも、騒音や振動が発生します。

 

原因4:作業員の掛け声

工事現場では、多くの作業員がいて、時には大声で車両を誘導したり、他の作業員に指示を出したりしています。

時には、その掛け声がうるさいと騒音クレームになることもあります。

現場内では安全のために掛け声が必要になるため、それを控えることはできないので、1つの原因と言われているということだけ、認識していただければと思います。

 

原因5:建設機械の操作ミス

どんなに慎重に作業をしていても、人間が行うことなので、作業員が建設機械の操作に失敗して、特に大きな音や振動が起きることがあります。

建設機械の操作ミスについては、騒音や振動以外にも、人的被害にも繋がりかねないので、特に注意が必要です。

 

工事現場で騒音や振動を抑える「5つ対策」

どれだけ気をつけていても発生してしまう「騒音や振動」ですが、対策を実施することである程度は抑えることができます。

ここでは特におすすめしたい「対策を5つ」ご紹介します。

すぐに実践できる対策も多くあるので、自社に導入するなら?と、考えながら読み進めてください。

はありますが、だからこそ特に注意する必要があります。

特に工事期間が長い場合は、同じ工事現場で、同じ重機の

対策1:重機の操作を慎重に行う

すぐにでも実践できる対策としては、「建設重機の操作を慎重に行うこと」です。当たり前のことで作業を繰り返すことになり、注意力が低下してしまうことがあります。

毎日の朝礼での声掛けや、デジタルサイネージを設置して安全注意喚起ポスターを掲示することで、作業員が作業を慎重に行う意識付けになります。

 

対策2:建設機械の動きを最小限にする

建設機械は動くだけでも騒音や振動が発生します。その動きを最低限に抑えたり、動きを最短距離に留めたりすることで、発生する騒音や振動も抑えることができます。

たった少しのことかもしれませんが、車両が最短ルートを通れるようにしたり、建設重機の可動域を最低限に抑えたりすることも効果的です。

 

対策3:場内での大型車両の運転は最徐行とする

建設機械の動きと同様に、大型トラックやクレーン車は動くだけで、騒音や振動が発生します。それらを工場の中で運転する際には、スピードを時速10km以下に抑えることで、発生する騒音や振動を抑えることに繋がります。

多くの工事現場で場内の制限速度を時速10km以下に定めていることが多くあるので、大型車両に限らず、車両の速度には注意しましょう。

 

対策4:建設機械のアタッチメントを工夫する

建設機械で大きな資材を掴んだり、ブルドーザーで廃材を集めたりする時にも、大きな音や振動が起きます。

特に金属製のアタッチメントをつけている建設機械で、金属製の資材や廃材を運ぶ際には、大きな音が出てしまいます。

この時の対策としては、建設機械のアタッチメントを金属製からゴム製のものに付け替えることが効果的です。

対策5:防音シートや防音材を活用する

特に大きな騒音や振動が発生する可能性がある解体工事現場を中心に、地面にクッション材を敷いたり、足場を防音シートで覆う工事現場もあります。

防音シートには「防音」と漢字で大きく書かれている種類が多く、足場に設置することで、対外的に防音への対応をしているアピールにもなるのでおすすめです。

 

騒音・振動対策でクレームのない工事現場を目指しましょう!

工事現場に届くクレームの多くは「騒音や振動」に関するものです。工事現場では避けにくい部分ではありますが、原因を知り、適切な対策をすることで、一定数に抑えることはできます。

また、朝礼看板にデジタルサイネージを設置して、騒音や振動の発生に注意する内容のコンテンツを表示させることで、作業員の意識の向上にも繋がります。

家庭ごみの有料化

広がる「家庭ごみ処理有料化」、メリット・デメリットは?

日常生活を過ごす上で、全くごみを出さない日はほぼないと言ってよいでしょう。私たちは普段から何かしらのごみを排出しており、令和元年度の1人1日当たりのごみ排出量は918グラムでした。
 
家庭ごみは基本的に、自治体のごみ回収のサービスを利用して処分してもらう形になります。ごみの分別や捨て方は、自治体によって異なっており、ごみの種類によっては回収にかかる費用が有料である場合もあります。
回収が有料といえば、家具などの大型の粗大ごみが思い浮かぶと思います。
 
ただ、現在、家庭ごみの収集を有料化する動きが全国の自治体で広がっています。今回はこの「家庭ごみ処理有料化」について見ていきます。
家庭ごみ処理有料化とは?

家庭ごみ処理有料化とは、市町村など自治体が一般廃棄物(=家庭ごみ)の処理についての手数料を徴収することを指します。
多くの自治体では、自治体が指定した有料ごみ袋をつかって家庭ごみ処理有料化を行っています。
ごみを出す量に応じてごみ処理費用を一部負担する仕組みです。
なお、手数料を上乗せせず、販売される一定の規格を有するごみ袋(指定袋)の使用を排出者に依頼する場合については「有料化」に該当しません。
 
家庭ごみの処理有料化の背景には、廃棄物処理法の基本方針の改正があります。
この改正により、市町村の役割として「経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、
排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、
一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべきである。」と追加され、国全体の施策の方針として、
一般廃棄物処理の有料化が明確化されました。このように法律で明確化されたことにより、近年有料化を行う自治体が増えているのです。
 
家庭ごみ処理の有料化を推進する目的は、環境省の資料によれば下記の4点が記載されています。
有料化の目的
(1)排出抑制や再生利用の推進
一般廃棄物処理を有料化することにより、費用負担を軽減しようとするインセンティブ(動機付け)が生まれ、一般廃棄物の排出量の抑制が期待できる。
 
(2)公平性の確保
排出量に応じて手数料を徴収する有料化を導入することで、費用負担の公平性が確保できる。
 
(3)住民や事業者の意識改革
有料化の導入によって、廃棄物排出に係る意識改革につながることが期待される。その結果、廃棄物の発生が少ない商品の選択や不用・不急の商品購入の抑制、製品の再使用の促進が期待される。
 
(4)その他の効果
環境負荷及び収集運搬費用や処理費用の低減、また、手数料収入を分別収集及びリサイクルの実施に係る費用や集団回収への助成など、循環型社会の構築に向けた一般廃棄物に係る施策の充実が期待できる。
 
つまり住民が費用負担を軽減しようとすることにより、ごみ問題意識を高めることにつなげたり、ごみの排出者としての責任をより明確にするためです。そして、ごみの排出を抑制したり、ごみの再生利用を促進し、循環型社会に貢献することができると期待されているのです。
家庭ごみ処理有料化のメリット・デメリット

それでは、家庭ごみの処理有料化によるメリットとデメリットはそれぞれどんなものがあげられるのでしょうか?
 
家庭ごみ処理有料化のメリット
・家庭ごみ排出量の削減
・資源物の分別排出によるリサイクルの推進
・3R(ごみの発生抑制、再使用、再利用)の推進に向けたごみへの意識向上
・焼却場・最終処分場の延命化
・ 事業者における環境負荷を考慮した販売方法や製品開発の推進

 

有料化を行うことで家庭ごみを削減でき、焼却場や処分場、清掃工場の負担を減らし延命化、自治体の財政負担の経験などにつながるといったメリットが挙げられます。
 
家庭ごみ処理有料化のデメリット
・家計の金銭的負担の増加
・コンビニエンスストアなどへの不法投棄・不適正排出の増加
・指定袋販売店における事務負担の増加
・ 旧指定袋からの移行時における在庫管理

 

一方有料化に伴う一番の懸念材料は、市民の金銭的負担が増えることにより、不法投棄や不適正排出の増加に関する問題です。監視カメラの設置や夜間の監視パトロールなど事前に対策をとることにより、不法投棄や不適正排出の顕著な増加は見られなかった自治体もあります。
家庭ごみの有料化、実施している自治体は?

それでは、家庭ごみ処理有料化を実施している自治体はどれほどなのでしょうか?
全国の自治体を対象とした家庭ごみ処理有料化に関する調査結果を、公共イノベーション事業グループが発表しています。
調査期間は2020年1月8日~2月5日、2021年1月に3,000世帯以上を有する全国1,367自治体を調査対象としています。
 
粗大ごみを除く家庭ごみの有料化を実施している割合は58.0%で、2008年の第1回調査(39%)と比べ19%増加しました。
2016年の前回調査(55.4%)からは2.6%の増加がみられており、家庭ごみの有料化を導入する自治体が年々増えていることが見て取れます。
 
地方区分ごとに有料化の実施率を見てみると、北海道地方が89.4%と最も高く、以下、九州・沖縄地方(79.2%)、中国地方(74.4%)、四国地方(68.8%)と続きます。最も低かった東北地方は38.7%にとどまり、地域差があることがわかりました。
 
それでは、有料化を実施している自治体の例を見ていきましょう。
北海道登別市
●導入…平成12年4月1日
●分別区分…燃やせるごみ・燃やせないごみ:市指定有料袋、粗大ごみ:有料(個別収集)、資源ごみ:無料
●有料化制度の評価
 ・ごみの有料化に伴い、全体で36%のごみが削減されました。
 ・ごみの有料化が図られることにより、発生・排出の抑制が図られ、また、資源ごみ(びん・缶、ペットボトル)の回収を無料とすることで、資源ごみの適正分別が容易となりました。
 
東京都調布市
●導入…平成16年4月 
●分別区分…可燃ごみ・不燃ごみ:市指定有料袋、粗大ごみ:ごみ処理券貼付、有害(危険)ごみ・資源物:無料
●有料化制度の評価
・廃棄物排出量の減少、不適正排出の減少、不法投棄の減少、ごみ問題や美化等に関する住民意識の向上が見られました。
・戸別収集も行うことで、7年後にはでごみの排出量が約20%減少。
 
京都府京都市
●導入…平成18年10月
●分別区分…燃やすごみ:市指定有料袋、資源ごみ(缶・びん・ペットボトル・プラスチック類):市指定有料袋、大型ごみ:粗大ごみ処理券貼付、その他資源ごみ:無料
●有料化制度の評価
・平成15年策定の一般廃棄物処理計画(京都市循環型社会推進基本計画)の減量目標を達成。
・有料化実施にあたっての定期収集ごみ(燃やすごみ)の削減目標は達成、燃やすごみは平成19年度時点で23万トンを切っており、有料化実施にあたっても目標も達成しています。
 
 
熊本県熊本市
●導入…平成21年10月
●分別区分…燃やすごみ:市指定有料袋、プラスチック製容器包装:無料、紙:無料、埋立ごみ:市指定有料袋、資源物:無料、ペットボトル:無料、大型ごみ:有料大型ごみ処理券貼付、資源物拠点回収:無料
●有料化制度の評価
 ・平成22年度においては、平成14年度比22.2%削減となり目標を達成、平成23年度においては、平成21年度比11.7%削減となりました。
 
「記名式ごみ袋」とは?

「記名式ごみ袋」とは、家庭から排出されるごみ袋に氏名を記入することで、複数の自治体で採用されています。
 
「記名式ごみ袋」の目的は、排出者を特定しやすくすることで、分別等ごみの排出に関する意識向上を図ることです。
6年連続でごみ排出量が少ない都道府県1位長野県では、ごみ袋に記名を求める自治体が多く、77市町村中で9割近い69市町村が「記名式ごみ袋」を採用。長野県が公表しているデータによれば、何も施策を行っていない市町村に比べ、「ごみ処理有料化」や「記名式ごみ袋」を行っている市町村のごみ排出量がは少ないことが明らかになっています。
 
記名式ごみ袋は、ごみの分別が不十分であった場合に排出者を特定しやすいといった点がメリットとして挙げられますが、一方で以下のような問題点もあります。
 
・プライバシーの侵害
・個人情報流失の懸念
実際に記名式ごみ袋を導入している自治体の住民からも、不安や疑問の声が上がっているようです。
 
見られたくないものをごみとして出す場合は、
・別の袋に入れて二重にする
・外から見えないよう細かくしたり、袋の中央に入れる
・不透明なもので包む
・クリーンセンターに直接持ち込む
など個人で対策が必要となっています。
 
 
 
 
家庭ごみ処理有料化は、ごみ排出量の削減やリサイクルの推進など、大きな効果が得られることがわかりました。
しかし一方で、市民の金銭的負担や不法投棄・不適正排出などのデメリットも挙げられ、費用負担の公平性の確保等、自治体には様々な対策を講じることが求められます。
 
私たちは日々ごみを排出しており、ごみ問題は、国や自治体だけではなく私たち一人ひとりも意識していかなければならない大きな課題です。
ごみの有料化および記名式ごみ袋と言った施策により、ごみ排出量は減少していますが、
今後もごみ削減に向けた取り組みをしていかなければなりません。
ごみの排出量を減らすためのアイデアを講じたり、適正な分別、3Rの実施を行うことは、個人や企業のごみ処理コストを削減することになるので、節約にもなります。
 

まとめ

家庭ごみ処理有料化は、ゴミ排出量の削減やリサイクルの推進など大きな効果が得られるとのデータがありました。
市民の金銭的負担などデメリットがあるため、費用負担の公平性を確保することが自治体には求められます。