株式会社Y's upの建設業ブログ

熱中症対策は万全ですか?

工事現場において大雨は滴ですよね。日々の工程の不安から解放されます。

 

しかし梅雨明けということは、夏本番ということです。建設業では例年、熱中症が多発しており死亡に至るケースもあります。

建設業では昨年、令和4年度に172件の熱中症が発生しております。いくつかの事例で、熱中症予防のための労働衛生教育を行っておらず、発症時、緊急の処置が適切に

なされていませんでした。

熱中症は、いつ、どこでも、誰でもなりかねません。熱中症になりかねない時期があります。

・5月の暑い日・梅雨の晴れ間・梅雨明け・お盆明け

特になりやすい時期です。9月も暑さが厳しい日がありますから、年間を通して5か月は注意が必要ということです。

 

日常的な体つくり

・水分をこまめにとる

のどが渇いていなくてもこまめにとることを習慣づける。

・塩分を程よくとる

過度にとる必要はないですが、毎日の食事を通して程よく塩分を取り、大量にあせをかくときは塩飴や塩タブレットなど摂取しやすいものでとると

楽です。

・十分な睡眠

寝不足は現場作業をするものにとって大敵です。

睡眠の質もとても大事で、エアコンや扇風機を使って快適な睡眠環境を整えましょう。

・前日のアルコール

二日酔いは熱中症を発症しやすくなります。アルコールは非常に利尿作用があり、翌朝脱水状態になっている可能性があります。

 

作業環境を改善する

送風装置を導入して作業環境を改善すると、熱中症の発生リスクを抑えられます

例えば、大型扇風機などの送風装置を導入すれば、作業現場に涼しい風を送れるため、作業員が快適に作業できるようになるでしょう

。足元に遮光ネットを設置して、地面からの照り返しを防ぐのもおすすめの対策です。

導入費用は発生しますが、屋外用のスポットクーラーを導入するのもよいでしょう。屋外用スポットクーラーは、「移動式エアコン」とも呼ばれる設備です。

室外機不要で涼しい風を送れるため、風のない日や風通しが悪い現場の熱中症対策になります。

他にも以下のような改善策もおすすめです。

  • ・ドライミストの設置
  • ・テントや簡易的な日よけを設置して日陰をつくる
  • ・散水

ファン付き作業服や熱中症対策グッズを活用する

ファン付き作業服とは、作業服の腰のあたりに取り付けられたファンが取り付けられた作業服のこと。

ファンを回して、作業服の内側に空気の流れを発生させることで、衣服内の空調をコントロールします。

エアコンのように冷風を送り込む機能はありませんが、気化熱を利用して体温を下げてくれるため、それまでの作業服にはない涼しさを感じられるでしょう。

冷感機能のあるアームカバーやアンダーウェアを導入するのも効果的です。

最近は、コンプレッションウェアに冷感機能や吸汗速乾機能を内蔵した製品も増えています。

コンプレッションウェアは、伸縮性の高い生地によって着用者の体の動きをサポートしてくれるインナーウェア。快適性と安全性を両立できるでしょう。

 

休憩時間の設定を見直す

休憩を取るタイミングや休憩時間を見直す方法も効果的です。

休憩時間には体の疲労を取る効果があるほか、水分・塩分の補給時間にもあてられます

例えば、「午前中に1回の休憩を設定している」という現場なら、休憩回数を2回に増やしたり、1時間ごとに休憩を設けたりして、作業員が休める機会を増やすのがよいでしょう。

休憩回数を増やせない場合は、休憩時間の延長を検討してみてください。

15分休憩を30分休憩に延長すれば、熱中症の発生リスクを抑えられるでしょう。

また、日照りが厳しい時間帯は作業強度を落としたり、作業員の体調チェックの回数を増やしたりする方法も効果的です。

気象予報などを参考に臨機応変に対応できるとよいでしょう。

 

現場で熱中症が発生したときの対策

もしも土木現場で以下のような症状がみられる従業員が発生したら、熱中症の可能性があります。

  • ・立ちくらみ
  • ・吐き気
  • ・筋肉の硬直(こむら返り)
  • ・脱力
  • ・まっすぐ歩けないなど

熱中症の可能性がある場合は、以下のような応急処置を行いましょう。

  • ・涼しい場所へうつす
  • ・衣服を脱がせて体内の熱を外に出す
  • ・氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やす
  • ・経口補水液やスポーツドリンクで水分・塩分を補給する

万が一、「意識がない」「呼びかけへの返答がおかしい」といった症状があれば、すぐに救急車を要請してください。

従業員の体調が回復して、自力で水分を取れるようになっても、念のため医療機関の受診を勧めましょう。

現場で実施したい「熱中症の予防対策」

土木現場で実施したい熱中症の予防対策は以下の3点です。

  • ・作業中の巡視を行う
  • ・熱中症に関する研修を実施する
  • ・チェックシートを活用する

それぞれ解説します。

 

作業中の巡視を行う

気象予報などを参考に、気温や湿度が高い日、日照りが強い日など熱中症が発生しやすい日を確認して巡視を行いましょう。

巡視を行うと、作業現場をその目で確認できるため、安全性を客観的に判断できます

夏の土木現場では、高い気温や直射日光などの影響により、現場の作業員は消耗しています。「体調の変化に自分で気づけない」というケースは発生するかもしれません。

そこで、現場の責任者が作業員に声をかけたり様子を確認したりすることで、事故が発生する前に現場の安全を守ることができるのです。

巡回車両を利用して複数の現場を回る場合は、車両に経口補水液や塩分補給キャンディを搭載しておけば、巡視の際に物資の補給も完了できます

 

熱中症に関する研修を実施する

作業員自らが熱中症予防に取り組むようになると、熱中症の発生リスクが大きく低下するでしょう。

注意喚起のチラシやポスターを作業員の目に留まるところに設置したり、熱中症に関する研修会を開催したりする方法が効果的です。

研修会には、作業員同士の連携を高める効果もあります。研修を受けた作業員同士で声をかけ合うようになったり、研修を受けた作業員が別の作業員へ注意喚起したりといった効果を期待できるでしょう。

チェックシートを活用する

チェックシートを作成して従業員自らにチェックしてもらうと熱中症の予防対策になります。

「目まいや立ちくらみがある」「吐き気がする」といった項目を設けたチェックシートを用意して、作業員に配布しましょう。

作業員自らが自分の体調をチェックすることで、現在の体調を客観的に把握できます。

「チェック項目にあてはまる場合、すぐに所属長にその旨申し出ること」などと注意書きを記載しておけば、体調不良者が発生する前に対処できるでしょう。

作業員の人数が多く、確認業務が煩雑になる場合でも、あらかじめチェックシートを記入してもらい巡視の際にまとめてシートを確認すれば、業務を効率化できます

 

現場の熱中症対策を万全にして安全な業務遂行を

熱中症は、体温調整機能が正常に機能しなくなり、体内に熱がこもった状態。

頭痛や吐き気、筋肉の硬直などを引き起こし、状態が改善されない場合は命の危険にもなるおそろしい症状です。

気温や湿度、日光といった環境の影響を受ける土木現場だからこそ、本記事でご紹介した熱中症対策を参考にしていただき、作業員の安全を確保して安全に業務を遂行してください。